
見てきました。
劇場版レヴュースタァライト。
ものすごかったです。
なんなんですいったい、この面白さは?
ストーリー、音楽、映像、演出。
どれも最高。間違いなく劇場に行くべき映画です。
見た勢いで感想を書いてみたいと思います。
が、頭が完全にスタァライトされてしまったので、うまくまとまる気がしません。
怪文書注意です。
※ネタバレを含みます。
劇場版スタァライト感想
スタァライトという話
スタァライトは必ず別れる悲劇。
別れというとマイナスなイメージがつきまといますが、この劇場版を見ると違った感想を持ちました。
同じ舞台を繰り返すのではなく、それぞれがそれぞれの舞台を見つけなければならない。
その結果、進む先が違ってしまったとしても、それは別れであっても悲しい別れじゃないよね的な。
必ず別れる悲劇を、99期生の最後の舞台で演じるとこうなる。
そんなふうに感じ取りました。
あと100回目聖翔祭(TVシリーズ)から、
フローラとクレールの配役が変わっているように思います。
- フローラ・・・クレールを助けに行く少女(華恋)
- クレール・・・塔に幽閉されている少女(ひかり)
101回目(劇場版)では、
自分の道を見つけられず戸惑っている(幽閉されている)華恋を、ひかりが助けに行く構図に。
つまり、華恋がクレールを、ひかりがフローラを演じていたのでは?
それどころか、全員がフローラとクレールだったように感じる場面も。
劇場版のチラシにも「『主演』は誰か。」という意味ありげなテキスト。
これについては、また後で触れます。
皆殺しのレヴュー


大場なながイケメンすぎる!!
- 逆光
- 開幕の足トントン
- 1対6でも圧倒
- めちゃ低い声
- 純那ちゃんのボタンを、なんの躊躇もなく吹っ飛ばす
- ふう・・・(髪かきあげ)
大場推しにはたまらない。震えるくらい好き。
ただ、なんのためのレヴューだったのかは考えがまとまっていません。
皆のキラめきを誰よりも見てきた大場が現状満足している皆の姿にキレたのか、もう一度舞台に飢えさせるためにボコボコにしたのか(舞台への覚悟完了していた天堂真矢だけ生存してましたね)。のちの展開を見ると後者の気がしています。
どちらも演技であることを考慮しても、あの映像には驚かされました。
キリンとトマト
あのキリンはなんなのか?
TVシリーズでも謎めいていましたが、劇場版では野菜で構築されたグロテスクな姿に変わっているシーンもありましたね。
私は、あのキリンは観客、つまり私たちのことなのだと見ていました。
「首を長くして待つ観客」→まじで首が長いキリンで表現しよう。といった感じでしょうか。
野菜化したのは「発表で緊張したらみんなのことを野菜だと思うように」というまじないから、観客の総意としてあのような形になったのだと想像しました。
だからこそあのキリンは、私たち舞台少女に魅せられた観客の期待・熱狂を体現し、野菜グリルになって燃え尽きてしまったのでしょう。ここで思い出すのは、レヴュー曲の「世界を灰にするまで」。これ恐ろしいネーミングですね・・・。
では、あのトマトが持つ意味は?
オープニングで弾け飛んだトマト。
野菜キリンが燃え尽きた後に残ったトマト。
想像ですが、野菜(観客)以外のなにかを表しているように思います。
舞台少女たちがトマトにかじりついて舞台に上がっていくのを見ると、トマトは舞台に上がる覚悟・情熱・舞台少女の核となるものかなと考えました。
華恋ちゃんが覚悟完了していなかったオープニングではトマトが弾け飛び、ラストレヴュー前ではトマトを完全無視していました。
また、劇場版では華恋の髪飾りを溶鉱炉投入→アタシ再生産の流れがなかったように思います(見逃してたらすみません)。これも100回目聖翔祭でスタァライトを演じた=ひかりとの約束を果たしたので、約束の象徴である髪飾りを燃料に舞台に上がることができなくなったのでは、と。
新しい燃料としてのトマト。
約束以外の熱量を自分自身の中に見つけた結果のトマトなのではと思います。
どうでしょうね。なんだか上手く表せてないような気がします。
わかりません。わかります。
デコトラのレヴュー
香子と双葉。
賭博場はまだわかります。
双葉へ劇団入団をそそのかしたクロディーヌに、香子が突っかかるのはわかります。
でも、そこへ双葉がデコトラで突っ込んでくるのはわかりませんwww
香子もデコトラ持ち出して啖呵切ってるし。
一体何が始まったのか。
私達は何を見せられるのか。
「やべえことが起きる」ということだけがわかります。
香子が双葉に詰め寄るセリフが素晴らしい。
うっとい。
なんで(進路を)相談しなかった。
本音晒せや。
(私のことが)うっとおしなったんやろ。
おい。
表出ろや。
ゾクゾクします。
おい。表出ろや。
頭溶ける。
からの表出たら、
清水の舞台にデコトラ並んでるのは笑わせに来てます。
セリフや曲に合わせて電飾ビカビカするの天才すぎます。
こんな演出、どうしたら考えつくのでしょうか?
しかもこのあたりの双葉が面白すぎます。
キレた香子が「縁切り」を言い渡すも、
双葉「いままで何度も送り迎えしたし、駄菓子も買ってやった。ずるい!×3」
今までかけた温情を自ら言っていくスタイル。
共依存の痴話喧嘩。解釈一致すぎました。
オリンピックのレヴュー
ひかりとまひる。
すごいカードです。
最も恐ろしいやつ来たのでは?と期待。
いえいえ、現実はそれ以上でした。
オリンピックの競技に合わせてシーンが切り替わる演出。
香子VS双葉と温度差がモノスゴく、これはこれで頭が(いい意味で)イカれそうな具合がしました。
が、演技をしないひかりにまひるがキレてからが本番でした。

メイスでコンクリをえぐったときの音といったら・・・
音響の良い映画館で見ていたのですが、体が縮み上がりました。
えげつない音でした。何を破壊したらあの音が取れるのか。
本当にコンクリをえぐって録音したんですか?
プッツン来てるまひるはその後も収まりません。
ミスターホワイト(ハリボテ)の首を容赦なく破砕。
ジーッと奈落のような目で見つめて。
「大嫌いだった」
そこからはホラー映画も真っ青でした。
怯えて逃げるひかりを精神的に追い詰めていくまひる。
怖いところはキレ散らかすのではなく、静かに怒ってるところ。
ああいう怒り方はいつ爆発するかわからなくて、やられた方はたまったものじゃないです。
まひるがひかりの胸ぐらを掴み、即死級の高さから地上めがけて突き落としたのには、ついにやったなと思いました。
このあとどうなるのかと予想も付きませんでしたが、結局ひかりの本音を聞けて話がまとまるのがすごい。
これらのレヴューについてまひるは演技とか言ってましたけど、本当でしょうか。
切腹のレヴュー
大場と純那ちゃん。
純那ちゃんが「決着?何と?誰と?」
と戸惑っている前に超重い女が出てくるのが恐ろしいwww
レヴュー曲のネーミングもすごかったです。
「ペン・力・刀」
まるで三島由紀夫です。
過去の発言と映像を引っ張り出して煽る大場なな。
純那ちゃんは健気にも戦いますが、軍服着てがおがおしちゃってる大場(最高概念)に手も足も出ず組み敷かれ、至近距離でチェキを撮られる・・・。
大場の煽りは留まることを知らず、
届かない星に手を伸ばしている純那ちゃんをずっと見てたんだよという、超・上からの発言。
さらに純那ちゃんの武器を叩き壊し、
足で刀を寄越して自害するようすすめる大場なな。
足癖も態度も最悪。
酒癖も悪そうだし、寝相も酷い。
なんなんですこの女、めっちゃ好き。

頭ばなナイスになりますわぁ・・・
純那ちゃんは戦闘不能になったばかりか、ルームメイトにボロクソ言われたせいでついに涙を流します。
それを見た大場「あーあ、泣いちゃった」
それは泣きます。
このシーンだけ見ると、どこが「みんなのお母さん的存在」なのかわかりませんwww
でもそこからの純那ちゃんがめちゃ良かったです。
「○してみせろよ、大場なな!!」
純那ちゃんがドスを振り回すと、
大場が急にオロオロし始め、俺氏、大場の敗北を確信。
それぞれ次の舞台を目指して別れていく二人。
しくしくと泣く大場。
純那ちゃん「あーあ、泣いちゃった」
俺氏の魂、ポジション・ゼロへと至る。
真矢クロ(概念)のレヴュー
天堂真矢とクロディーヌ。
やっぱりこの二人。
死ぬほど良かったです。
特にクロディーヌの男装が似合いすぎてる。そしてイケボすぎる。クロディーヌファンは魂持っていかれたのでは?
舞台装置で鳥の彫刻が出たときは笑いそうでしたね。
あれテロップは出てませんでしたけど、私には見えましたよ。「鳥バード2019」という文字が。
このレヴューで印象的なセリフがありました。
天堂真矢が「自らは演じるための器で、だからこそどんな役でも演じられる」と、フル・フロンタルみたいなことを最初言っていたじゃないですか。
それに対するクロディーヌの反論が良かった。
「本当の自分をさらけ出せ、観客はそれが見たい」的なセリフ。
ほんとそれですよね。私達が欲していたものは。
だからこそ本来の不遜で「天上天下唯我独煌」とか掲げる天堂真矢が壇上に上がったときは、すごい興奮しましたよね。「奈落で見上げろ、私がスタァだ!」とか天堂真矢すぎるセリフ。

これよ、聞きたかったのは!
そういえば、一連のレヴューはワイルドスクリーーーンバロックと名付けられていましたね。
(私達観客が聞きたい)演者本人の本音を暴くためのレヴューなのかと思いました。ワイルド≠本性・本音といった感じでしょうか。
でも三連の伸ばし棒は何なんでしょう。
「リーーー」が貫いてる剣のようにも見えますし、「ーーー」がキービジュアルのマーク(三丸を貫いてる線)にも見えます。
最後のレヴュー
華恋とひかり。
劇場版で華恋のキャラがめちゃ深堀りされました。
TVシリーズはシリーズでは見えてこなかった、ひかりとの約束の重さや、いかに普通の生活を犠牲に舞台に臨んでいるか。劇場版を見て『再生賛美曲』の歌詞が怖くなりました。「選ばなかった過去たちへ〜」「こぼれてく未来が あの子のキラめき」とかゾッとします。
そしてスタァライトを演じきったあとの怖さ、目標のなさ(線路のレールがない)。
結局トマトを食らうことができず、舞台少女として死を迎えます。
しかし再生産の展開がアツかった!
「マッドマックス怒りのデスロード」ばりに砂漠を疾走。
東京タワー風のマスドライバーから射出。
電飾バリバリの「愛城華恋」。
そして「レヴュースタァライト」。
劇場の大スクリーンで見れてよかったです。
華恋の「最後のセリフ」で決着。
東京タワーが真っ二つに割れ、先端がポジションゼロする演出はかなりイカれてます。
塔から降りた二人(と他の九九組)は新しい舞台を求めてそれぞれの進路へ・・・、で戯曲「スタァライト」と「劇場版少女歌劇レヴュースタァライト」が完結。
『主演』は誰か
最初の方にも触れましたが、この物語の主演は9人全員なのでは?
つまり全員がフローラとクレールを演じていたのでは?
劇場版のレヴュー(ワイルドスクリーーーンバロック)は、それぞれすべて戯曲『スタァライト』だったのでは?
すべてのレヴューが戯曲『スタァライト』と被ってくるように見えました。
- 少女2人が主演の舞台。(フローラとクレール)
- 全員が卒業(別れ)という帰路に立っている。(戯曲『スタァライト』は必ず別れる悲劇)
- レヴューの舞台がすべて高いところに登って堕ちる構成になっている。(星を摘みに塔に登り、目を焼かれ落ちる)
香子と双葉・・・階段を上がって清水寺へ至る。デコトラで落ちる
ひかりとまひる・・・エレベーターでドームの天井へ。ひかりが突き落とされてグラウンドへ
大場と純那ちゃん・・・塔の上へ上がる。とどめの前に一段下がった舞台に移る
天堂真矢とクロ・・・塔に上る(吹っ飛んでいる)。落下して決着がつく(ように見える)
華恋とひかり・・・東京タワーに登る。東京タワーが真っ二つになり地上へ
あくまでも想像ですが、101回目聖翔祭のスタァライトは9人全員がスタァライトの主演で、別々の事に見えたレヴューが物語としては1つのスタァライトとしてまとまる。という構成になっているのかと。
まとめ
これが、レヴュースタァライト。
これが、私達の望んだ舞台。

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