都内で有名なヒルクライムスポット、都民の森!
今までに何度も登ってきたのですが、やっぱりこの坂ツラいです。
21kmという長丁場のヒルクライムにごりごり体力を削られ、登りきったときには性も根も尽き果てています。
しかし、苦しさに見合う以上の魅力があるのも事実。
特に最後の3kmは「本当にここは東京なのか?」と驚くほどの絶景・・・!
この記事では都民の森の各セクションの特徴や、体力に自信のない私が登りきるために注意していることなどをまとめたいと思います。
都民の森でロングヒルクライムを楽しむ
都民の森の概要
都民の森は、東京で最も有名なヒルクライムスポットの1つです。
都内にしては大型のコースのため人気があり、特に土日は多くのサイクリストで賑わっています。
ストラバによると、全長が約21km、獲得標高716m。
ですが、途中アップダウンがあるのでなんだかんだ累計獲得標高は1000mを超えてきます。(これもストラバ計測)
最寄り駅はJRの武蔵五日市駅。都民の森の起点はそこから10km走ったところにある交差点になります。
武蔵五日市駅と都民の森の往復は大体60km。ゆっくりしたとしても、半日もあれば帰ってこれるコンパクトさは嬉しいですね。
武蔵五日市〜上川乗
今回は輪行で武蔵五日市駅までアクセスしました。
輪行を使う理由は、もちろん体力を温存するためです。今回は21kmもの工程をゆくヒルクライム。体力に自信のない私には温存しすぎるということはありません。
この日は気持ちのいい秋晴れ。ちょっと暑いくらいでしたので、ボトルの中身は多めに入れておきました。
都民の森ルートは、補給できる箇所が多くありません。駅中の売店でウィダーやカロリーメイト等を買っておくことをおすすめします。(もし売店が混んでいた場合、少し走った先にサイクルラック設置のファミマもあります)
交差点〜上川乗まで
写真の交差点が都民の森の起点です。
ここを左折すると都民の森へ、右折すると私の好きな時坂峠へアクセスできます。
「Forest of Tokyo Citizen」とか、かっこよすぎてワロタwww
そして、シールで貼り付けた跡が妙に気になります。もともとはなんて書かれてたんでしょうね。(Tomin no moriとか?)
さて実際のコースですが、交差点を左折するとアップダウンのあるセクションが始まります。
ここは個人的に都民の森で1番いやらしい区間です。
なぜなら中途半端に下りがあるので、そのスピード感を維持しようとつい踏みがちになってしまうのです。登り返すと速度が落ちるのは当然なのですが、頭ではわかってはいても速度のギャップが大きいので感覚的に苦しめられます。しかしここで無理に踏むとあとに響きます。間違いなく後悔します。
初めて登る方は特に注意です。序盤で飛ばしてはいけません。
ちなみに私が初めて登ったときは踏みました。そして後半死にました。
上川乗〜数馬の湯
アップダウン区間を抜けると上川乗の交差点にあたります。ここは右折です。
この時点で既に全体の1/3以上は消化済み(残り約12km)。その割には元気のあることが多く、「なんだ、都民の森って楽勝じゃん」「今日は脚の調子がいいぞ!」などと思ったりします。しかし交差点を抜けると斜度がアップ。本格的な登りが始まります。
景色がだんだんとヒルクライムらしくなってきます。
そしてじわじわと脚が削れていきます。やっぱつれえわ。はい、調子がいいのは錯覚でした・・・。
そうそう、この区間はしばしば道路工事が行われていて、片側相互通行になっていることがあります。タイミングが合えば、対向車線の車が通り過ぎる間は脚をつくことができます。
しかし、その後は地獄です。
対向車線の車を待たせているというプレッシャー&スピードを上げないと後続が詰まってしまうのではという焦り。否応なしに全開ですよ。淡々と登ることさえできない恐怖・・・。
数馬の湯〜旧料金所
「温泉に入ってそのまま帰ろう」
数馬の湯は「心折れそうポイント」ナンバーワンです。散々登って疲れきった状態で気持ちよさそうな温泉をチラ見させられて、揺らがないわけないですよ!
けれども、数馬の湯が見えたらもうゴールが近いことも事実。残りの距離は約5km。これまで登ってきた道を思うと、行けそうな距離に思えます。むしろ登らないともったいない気すらしてきます。
しかし、ああ、なんということでしょう。心を鬼にして素通りした温泉のすぐ先には、斜度10%にも達するパンチのある坂が待っているのです。やっぱり温泉に入っておけばよかった。そんなことを思わずにはいられません。
旧料金所〜都民の森
都民の森はラスト3kmがとにかく楽しいです。
なんといっても景色の開放感が半端じゃありません。
これまで眺望のきかない山の中を走っていたのに、いきなり目の前が開ける気持ちよさといったら・・・!
ふと振り返ってみると、自分が走ってきた道がはるか下に見えます。
開放感と達成感を同時に味わえる、登っていて1番気持ちのいい区間です。
とはいえ、疲れがピークに達している最も苦しい区間でもあります笑
脚はガチガチ。呼吸も苦しい。ギアはとっくの昔にインナーロー。この区間の私はおそらく時速10kmも出ていないでしょう。頭の中は弱音でいっぱいになります。
「・・・もう疲れた。今すぐ帰りたい。ふかふかベットでゴロゴロしたい。こたつに入って鍋つついてグースカできたら最高だ。ああ〜、もう・・・帰るッ!!」
こんな駄々っ子みたいな精神状態になっても登り続けられるのは、景色の良さに助けられているから。
普段でも趣深いこの区間ですが、この日は運のいいことに木々が紅葉していて、はからずも紅葉狩りをすることができました。
秋の都民の森は最高か?
松尾芭蕉だったらコーナーひとつ抜けるたびに一句読めそうなレベル。ここまで延々と登ってきたかいがあったというものです。
この日は一眼レフを背負いながら登っていました。途中何度も「こんな重いの持ってこなければよかった」と後悔しましたが、いや、やはり持ってきて正解でした。
(ほとんどの写真は下りで都度止まって撮影したものになります)
都民の森に到着!
絶景区間を抜けるとようやく都民の森に到着! 21km、長かった・・・!
ビアンキをサイクルラックに停めてベンチに座ると、疲れがどっと出てきます。しかし嫌なだるさではなく、達成感のある疲れなので心地いいんです。普段の生活ではなかなか得られない種類の「やりきった感」を味わえます。これだからヒルクライムはやめられないんですわぁ・・・。
しかし、もう数ミリも登りたくありません。ここから更に3kmほど登ると東京都で一番標高の高い道路と言われる風張峠がありますが、この日はもうムリ笑。おとなしく来た道を下ることにします。
が、下る前におでんを注文!
この大根、ダシがしっかり染みてて最高でした。あったかいおでんが疲れた体に染み渡ります。
(以前来たときは名物のカレーパンを頂きましたが、これもカリッカリで美味しすぎました)
帰りはスピードの出しすぎに注意しながらダウンヒル。
日が傾いたためか、道のほとんどが日陰になっていたのでかなり冷え込みます。
都民の森の下りは、ウインドブレーカーや防寒具は必須ですね・・・!
武蔵五日市駅からは輪行で帰路へ。帰宅したらいつもより熱めにお風呂を沸かしました。
冬は熱いお風呂に浸かりながら、その日のサイクリングを思い出すのが最高なんです。このときは都民の森のラスト3kmを回想していました。
ローディあるあるかもしれませんが、帰宅して一息つくと、その日の登ったばかりの坂にまた行きたくなりませんか? あれだけつらい思いをしたのに不思議ですよね。